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地域基幹病院の内視鏡室における臨床工学技士の役割 |
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栗山 貴博1, 雲母 公貴1, 須藤 豪太2 |
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1函館五稜郭病院・臨床工学科, 2函館五稜郭病院・消化器内科 |
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当院は,約40万人の道南医療圏のがん拠点病院で,地域基幹病院(一般病床480床)である.内視鏡室では,医師10名,看護師11名,臨床工学技士(以下CE)2名,看護助手2名と比較的少人数で年間1万件程度の検査・治療を施行している状況である.一方で,近年,内視鏡検査・治療が高度化し,当院もESD,LECS,ERCP関連手技(POCS含む),EUS-FNA,Interventional EUSなど多岐にわたり施行している.手技の高度化に付随し,様々なデバイスが登場,操作法がより複雑になっている.医師は内視鏡以外の業務も多く,これらの操作の補助をCEが行うことで医師の負担軽減に貢献していると考える.CEは2014年より消化器内視鏡業務に参画し,内視鏡機器管理のデータベース化や点検体制の構築,簡単な検査・治療介助を行ってきた.この間,消化器内視鏡技師,小腸カプセル内視鏡読影支援技師の資格を取得し知識を高め,現在では,使用デバイスの管理,ESD,Interventional EUSなどの高度な内視鏡検査・治療の介助も行っている.ESD(150件/年)では,治療戦略を立てる段階から関与し全例介助,SBCE(20例/年)は全例で1次読影も行っている.またCEの大きな役割である機器管理では,修理件数削減のための取り組みや,点検修理対応だけではなく,内視鏡管理ソフトを用いて内視鏡使用回数や,検査所要時間,洗浄時間を適宜分析し効率的に運用できるよう工夫している.昨年度,分析結果をもとに,内視鏡本数,内容を見直し,医師や用度課に提案することで約3600万円の更新費用の削減が可能であった.看護師と比較し,勤務異動の少ないCEが消化器内視鏡に参画することで,効率的な内視鏡運用が図れるだけでなく,内視鏡治療における専門性が維持でき医師のタスクシフトにも大きく貢献できると考える.消化器内視鏡業務に参画し10年が経過する地方基幹病院におけるCEの役割を報告する. |
索引用語 1:臨床工学技士 索引用語 2:消化器内視鏡技師 |
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