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IBD診療における施設間連携ミーティングの開催の意義~熊本における施設横断的ミーティングの試み~ |
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霍田 菊代1, 古田 陽輝2, 高野 正太3 |
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1大腸肛門病センター高野病院・看護部, 2熊本大病院・消化器内科, 3大腸肛門病センター高野病院・肛門科 |
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炎症性腸疾患(IBD)の治療は,生物学的製剤の登場で症状を比較的安定化することができるようになった.その一方で課題もいくつか生じている.例えば,治療内容の選択肢が増えたことで治療方針や支援などに対する意思決定支援の必要性,またIBDは若年発症が多いため,小児科から消化器内科など成人診療科へ医療の移行支援,さらには肛門病変などのIBDに特異的な合併症診療における市中病院とIBD専門病院との連携などである.意思決定支援については,医師や看護師に加えてコメディカルも加わったチーム医療が不可欠である.また,移行医療支援は診療科間連携,市中病院とIBD専門病院間では,施設間連携など各種連携対応が必要となってきている.そこでIBD診療を行っている医療機関で,最新情報や患者・家族の対応方法について協議するミーティングを定期的に開催することになった.現在の参加医療機関は6施設で,参加者は小児科や消化器内科,肛門科の医師や看護師ほかコメディカル,ミーティングでは症例を提示し多職種での意見交換を行っている.多職種が参加することでそれぞれの職種特有の視点からの意見を聞きくことができ,また多施設の参加で施設横断的に比較検討ができている.コメディカルスタッフの参加も多く,中でも看護師同士で病棟・外来での対応方法や他施設の取り組みを学ぶことで自施設でのIBDの患者・家族支援に活用できる取り組みを共有し,実践している.このように所属施設や職種などの垣根を超えたミーティングを定期開催することで,施設間の紹介受診もスムーズに実践でき,また小児科から消化器内科など成人科への移行期の患者・家族のかかわり方を学ぶことができている.今回,6施設間での多職種連携によるミーティングでの活動内容について紹介し,施設間連携ミーティング開催の意義について考察する. |
索引用語 1:移行医療 索引用語 2:多職種連携 |
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