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メディカルスタッフが取り組む難病診療分野別拠点病院の活動 |
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佐野 真矢1, 中野 敬太2, 蛯澤 直美1 |
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1札幌医大附属病院・看護部, 2札幌医大附属病院・薬剤部 |
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当院は2019年に炎症性腸疾患(以後IBD)に関する難病診療分野別拠点病院に指定された.地域医療を支える多職種連携として,メディカルスタッフの活動を報告する.北海道におけるIBD医療には,各地域にIBDに精通した医師やメディカルスタッフが少ないという課題がある.遠方の患者は基幹病院まで通院しなければならず,必要な時に十分な治療や医療を受けることが難しい状況である.当院は,北海道内のIBD患者に対して適切な医療を提供するために,IBDの治療に関わる専門医の養成やメディカルスタッフの教育に取り組んでいる.2021年1月から現在まで,メディカルスタッフを中心としてIBD Web研修会を開催している.参加者は医師,看護師,薬剤師,栄養士,その他の職種が毎回50名前後参加している.当初はIBDに使用する薬剤やIBD患者の栄養管理についてのレクチャー講演や多職種連携を活かしたセルフケア支援の事例報告などを行っていたが,現在はIBD多職種連携についての実践的な取り組みに焦点を当て,多職種でディスカッションを行い,北海道内で共通の入院患者教育プログラムを作成することを目指している.看護師は,日本難病看護学会認定の難病看護師として,消化器内科病棟看護師向けの学習会の企画・運営や教育資料の作成を行っている.また,北海道のIBD患者のQOLアンケート調査やIBD医療に携わる看護師へのアンケート調査を通じて,研究と実践を両立させている.薬剤師は医師と共同で近隣の調剤薬局に対するIBD治療の均てん化を図ることを目的として勉強会を開催.IBD治療薬についての特徴,使用方法,注意点,副作用などについて薬剤師,医師それぞれの立場から講義を行っている.参加者のアンケート回答結果から,知識の深化と意義ある活動と考えている.これらの取り組みを通じて,IBD患者のケアとQOL向上に貢献できていると考える.また,地域医療を支えていくために多職種連携の質向上が期待できる. |
索引用語 1:Web研修会 索引用語 2:難病看護師 |
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