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メディカルスタッフプログラム2(JDDW)
11月2日(土)  14:00 - 17:00   第13会場:神戸国際会議場 国際会議室
MS2-8指
地域で展開する多職種連携と教育の工夫
松島 加代子1, 山口 直之2, 竹島 史直3
1長崎大病院・医療教育開発センター, 2長崎大病院・光学医療診療部, 3五島中央病院
医師の働き方改革がスタートし,消化器診療においてもタスクシフト/シェアが急務となってきているが,これらの実践には,大学病院のみならず,地域で活躍する多職種の指導者養成が必要である.各職種が得意とする領域を活かして,専門職連携教育(IPE)を推進し,県内全体を俯瞰した消化器教育体制が必要である.本発表では,県内で行っている様々な医療者教育の取り組みについて紹介する.
大学病院においては多職種での勉強会,特定行為看護師の育成,県内薬剤師への講演やフィジカルアセスメントなどに取り組んできた.最近では,病棟に薬剤師,栄養士が配属となってきており,病棟での学生・医師への個別指導も可能である.管理栄養士は離島の栄養士に対してオンラインで指導したり,キャラバン隊として出向いて直接指導することもある.
研修医に関しては,10年以上前から地域基盤型外来研修を実施している.これは研修医と指導医がへき地病院へ帯同して一般外来を実施する研修である.その際に,検診・治療内視鏡,腹部エコーの学修の機会がある.
さらに,消化器内科専攻医,上級医への指導となると,より専門的な手技習得と指導機会が必要となるが,地方県では,指導医・指導者の移動も容易ではない.そこで,当院では,2024年3月から県及び離島の病院と協働し,ローカル5Gを用いてリアルタイムの4K内視鏡画像を共有できる内視鏡指導体制を構築した.このシステムを用いると,医師の診断や治療,検査技師の介助の様子を確認し,遠隔での指導が可能である.また,カルテ上の資料情報に関しては,県内全体の診療情報ネットワークが構築されているため,かかりつけ医から担当患者の大学病院での診療内容のモニタリングが可能であり,生涯教育支援機能も兼ねていると考える.
今後,ますます医師の偏在化が課題となってくる.地域医療の充実のためには,医療者の物理的な偏在解消だけでなく,遠隔教育と対面教育のバランスをとりながら,多面的で持続可能なIPEに取り組んでいきたい.
索引用語 1:多職種連携
索引用語 2:専門職間教育
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