JDDW2025 (Japan Digestive Disease Week 2025) KOBE

司会の言葉

パネルディスカッション 9
大腸鋸歯状病変の取り扱いの現状-病理医とのクロストーク-

31日 14:00~17:00 第1会場

公募・一部指定

司会 樫田博史 近畿大・消化器内科
  菅井 有 総合南東北病院・病理診断学センター
  佐野 寧 佐野病院
大腸過形成性ポリープ(HP)は,非腫瘍であり癌化しないと考えられてきたが,HPに類似の所見を呈していながら腫瘍の性格を帯びた病変に関する報告が相次ぎ,WHO分類2010年版ではSSA/Pと命名された.さらに 2019年版ではSSLと改名されたが,WHO 2010年版や日本大腸癌研究会でのSSA/Pとは,診断基準が若干異なる.WHO分類2019年版において大腸鋸歯状病変は,HP (GCHP, MVHP),traditional serrated adenoma(TSA),sessile serrated lesion(SSL)に分類され,最近ではsuperficially serrated adenomaの概念も提唱されている.近年の大腸がんの遺伝子解析から,鋸歯状病変由来の癌化症例が最大で20~30%との報告があり,malignant potentialを有する病変として臨床的にも無視できない存在である.ところが,WHO基準を用いた場合,これまで本邦で蓄積されてきた知見を日常臨床に適用することが困難となっていることが指摘されている.大腸鋸歯状病変の内視鏡診断については,拡大観察や画像強調の有用性が報告されているが,HP/SSLの鑑別診断,dysplasia,腺腫様変化や癌など,大腸鋸歯状病変に対する内視鏡診断能は十分に議論されていない.また,治療方針(大きさ,部位)についても明確ではない.そこで,本パネルディスカッションでは病理医にも参加していただき,大腸鋸歯状病変の取り扱いの現状について議論したい.取り扱いの根拠を基にした演題を多数募集する.

Back to Top