パネルディスカッション 13
C型肝炎根絶への現状と課題
31日 9:30~12:00 第8会場
公募
司会 | 朝比奈靖浩 | 東京科学大・消化器内科 |
神田達郎 | 新潟大・魚沼地域医療教育センター |
抗HCV療法は飛躍的に進歩したが,C型肝炎根絶に向けて,まだ越えなければならない問題は多い.治療不成功後の耐性ウイルスや,肝線維化・門亢症の不可逆的変化,そしてunmet medical needsの問題がある.また,HCV排除後であっても,宿主ゲノム異常の蓄積,エピゲノム変化の持続,肝線維化や細胞機能障害の残存,あるいは代謝異常併存などにより,肝発がんや病態進展のリスクは依然として健常人や脂肪性肝疾患より高い.HCV排除後における発がんや病態形成機構には不明な点が多く,それに基づく治療法の開発や,病態を評価しうる新たなバイオマーカーの探索も十分ではない.また,ウイルス肝炎に対する社会的な啓発と,HCV eliminationを達成するための対策も重要な課題である.そこで本セッションでは,HCV排除後の病態の本質解明と,問題を克服する解決策について,基礎と臨床との両面から最新の研究成果についての理解を深め,C型肝炎根絶へ向けて実りのある議論をしたい.