2009年以降，消化器関連の各学会で女性医師・研究者のキャリア支援を目的とする委員会が設立され，出産や育児などのライフイベントを迎えた女性のキャリア形成における様々な課題を検討し，学会役員・評議員の女性割合を増やす試みを講じてきた．近年では，性別に関わらず若手会員の学会活動の活性化も目的に挙げられるようになり，若手が学会に何を求めているのか，学会参加のモチベーションを向上させるにはどうすればよいか模索中である．中堅世代になると，若手の発表指導や座長を務め，学会の委員会委員などの立場で消化器領域の診療・教育の向上や学問の発展に貢献する選択肢も生まれ，学会の将来を担う人材としてのキャリアを積むことも期待される．若手が注視するのは中堅世代のキャリアプランであるが，中堅には次の世代におけるキャリアの意義と実情が想像しにくい．また，女性役員が少ないなどガラスの天井も現存する．本セッションでは，年代別に学会におけるキャリアプランの現状と課題を紹介していただき，年代間の情報交換と年代別の課題解決策について議論する．学会における女性医師・研究者のキャリア支援策に活かしたい．