JDDW2025 (Japan Digestive Disease Week 2025) KOBE

司会の言葉

ワークショップ 3
肝不全の実態と最新治療(移植,再生医療を含む)

30日 14:30~17:00 第13会場

公募

司会 大段秀樹 広島大大学院・消化器・移植外科学
  柿坂啓介 岩手医大・消化器内科
肝臓は再生能力が旺盛な臓器だが,広範な肝細胞壊死と再生不全により代償機構が破綻すると肝不全に至る.急性発症では正常肝で急性肝不全,慢性肝疾患でAcute-on-chronic liver failureを呈し,緩徐進行では非代償性肝硬変を来す.重症例では集中治療を要し,内科治療抵抗性の場合は肝移植が必要となる.肝不全診療の均てん化には,重症管理の標準化,移植時期を含めた治療方針決定基準の作成,周術期管理最適化など施設間での情報共有が重要である.脳死肝移植レシピエント登録基準改定や臓器保存法の進歩が実臨床に与える影響の解析も治療方針決定の一助になる.救命率向上に向けた病態解析や再生医療の進歩も新たな治療戦略構築に重要である.症例集積研究,病態解析,トランスレーショナルリサーチとその臨床応用など,各施設の知見を共有することで診療の均てん化を目指すだけでなく,多角的な議論を通じて本ワークショップが新たな研究の萌芽の場になることを期待したい.

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