パネルディスカッション 1
肝癌薬物療法におけるアンメットニーズ
公募
| 司会 | 土谷 薫 | 武蔵野赤十字病院・消化器内科 |
| 高井 淳 | 京都大・消化器内科 | |
| 伊藤隆徳 | 名古屋大・消化器内科 |
近年,免疫チェックポイント阻害薬および分子標的治療薬の登場により,肝細胞癌に対する薬物療法は飛躍的な進展を遂げ,従来に比して良好な治療成績が報告されている.しかしながら,依然として多くの未解決課題が残されている.すなわち,肝予備能を維持しつつ安全性を確保し,最大限の治療効果を引き出すための最適投与戦略の確立,免疫関連有害事象(irAE)の予測や早期診断を可能とするバイオマーカーの探索,さらに治療効果やirAE発症に関わる分子・免疫学的機序の解明は喫緊の課題である.加えて,局所療法との併用による治療効果の増強や予後改善,治療シークエンスの最適化,さらには複合免疫療法不応例に対する新規治療の開発も重要な検討課題に挙げられる.本パネルディスカッションでは,基礎的知見から臨床的エビデンスに至るまで,多角的視点から現状の課題と将来の展望を議論し,肝癌薬物療法のさらなる進歩に資する知見を共有したい.