近年，非乳頭部十二指腸腫瘍に対する内視鏡診療の機会が増加している．十二指腸はその解剖学的・機能的な特性から，内視鏡治療の難易度やリスクがきわめて高いとされて来たが近年提案された種々の内視鏡治療法によりその安全性と確実性は飛躍的に向上している．また，単に『切除』にとどまらずその後の創部の縫縮を含めた周術期管理が安全な治療のために重要であることも示されている．さらには十二指腸の内視鏡治療にあたっては，これら短期的な成績に加えて再発を含めた腫瘍学的なアウトカムも考慮し，症例に応じて各種治療法を適切に使い分けることも重要である．本セッションでは，治療法の工夫から術後合併症対策および治療成績に関する知見を募集し，非乳頭部十二指腸腫瘍切除の現状と今後の展望について議論したい．