シンポジウム 2
SLDの基礎研究と治療展望
公募
| 司会 | 芥田憲夫 | 虎の門病院・肝臓内科 |
| 小木曽智美 | 東京女子医大・消化器内科 | |
| 黒田英克 | 岩手医大・消化器内科 |
さまざまな病因による脂肪性肝疾患を包括する疾患概念としてSLD(Steatotic liver disease)が提唱された.SLDは肝硬変や肝癌の原因のみならず,他臓器癌や心血管疾患,慢性腎臓病,サルコペニアなど多彩な合併症と関連する全身疾患として注目されている.発症や進展の機序解明に向けては,遺伝子・蛋白質の網羅的解析やメタボローム,エピゲノムなどを統合したマルチオミクスやシングルセル解析に加え,ゲノム科学と栄養学を融合させたニュートリゲノミクスなど,多角的な基礎研究が展開されている.治療面では,非侵襲的肝疾患評価(NILDA)の確立やAI診断支援に基づく個別化治療,肝線維症治療薬の開発,腸肝軸・マイクロバイオーム標的療法,さらには再生医療・遺伝子治療など,革新的なアプローチが期待されている.本シンポジウムでは,基礎研究から新規治療法の開発,さらには臨床応用への展望まで幅広い話題を取り上げ,活発な議論を行いたい.