シンポジウム 12
個別化外科治療の進化と課題-Precision Surgery時代の技術革新と臨床
公募・一部指定
| 司会 | 遠藤 格 | 横浜市立大大学院・消化器・腫瘍外科学 |
| 沖 英次 | 九州大病院・先端医工学診療部 |
近年,がん治療においては,個々の患者の病態や遺伝的背景を踏まえた「Precision Surgery」の概念が注目されている.外科領域も例外ではなく,詳細な画像やAIによるリスク予測を活用したロボット支援手術,さらには分子バイオマーカーやゲノム情報をもとにした周術期の治療法選択など,従来の「一律の標準治療」から「個別化された最適治療」へと進化しつつある.本セッションでは,こうした技術革新の最前線と,それを臨床に実装する際の問題点を多角的に議論したい.すなわち,Precision SurgeryとしてのAIの活用や合併症リスクの予測,ゲノム情報や分子マーカーを用いた周術期治療選択,さらにはPrecision Surgeryに求められる倫理的配慮に至るまで幅広い視点から「Precision Surgery時代の未来像」を描いていただきたい.臨床現場を牽引するエキスパートによる発表と討論を通じて,「科学的根拠に基づく個別化」と「現場での実効性」をいかに調和させるかを考える機会となることを期待する.