ワークショップ 16
直腸癌に対するnon-operative management (NOM) の現状と将来展望
公募・一部指定
| 司会 | 川合一茂 | がん・感染症センター都立駒込病院・大腸外科 |
| 秋吉高志 | がん研有明病院・大腸外科 |
進行直腸癌治療におけるtotal neoadjuvant therapy (TNT) の普及に伴い,臨床的完全奏効,あるいはそれに近い状態が得られた症例に対するnon-operative management (NOM) が世界的に注目を集めている.一方で,現在広く用いられている治療効果判定基準は主観的要素が大きく,また治療レジメンや治療期間によって最終像の意義が異なるため,標準化は容易ではない.さらに,局所再増大をどの程度許容するかによっても,判定基準の厳しさが変わってくる.局所再増大症例については,適切に救済手術が行われれば初回から手術を行う場合と遠隔成績は変わらないとされるが,真に悪影響がないかについては十分に検討されていない.加えて,長期の機能温存やQOLの観点など,依然として多くの課題が残されている.本ワークショップでは,国内の最新エビデンスと実臨床における取り組みを整理し,NOMの適応,限界,そして今後の展望について多角的に議論することで,直腸癌治療の未来を見据える有意義な機会としたい.