Ubie株式会社 代表取締役 医師
2015年東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院および東京都健康長寿医療センターにて初期臨床研修を修了。
研修医時代、夜間救急外来において、長期間の症状を放置した結果、手遅れの状態で搬送されてくる患者を数多く目の当たりにした。「適切なタイミングで適切な医療につながれていれば救えた命がある」――この原体験が、医療における情報の非対称性という構造的課題の解決に向けた起業の原点となった。
共同創業者の久保恒太氏とともに、症状と疾患の関連性に関するアルゴリズムの研究開発に着手。約50名の医師の協力を得ながら5万本以上の医学論文を精査し、独自のアルゴリズムを構築した。2017年5月、「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げ、Ubie株式会社を共同創業した。
現在、Ubieは生活者向け・医療機関向け・製薬企業向けの三つの事業を展開している。生活者向けの医療AIパートナー「ユビー」は月間1,000万人以上が利用する国内最大級の医療AIサービスに成長。医療機関向けには、AI問診サービス「ユビーAI問診」を全国47都道府県・1,800以上の医療機関に展開するとともに、2024年より「ユビー生成AI」の提供を開始した。「ユビー生成AI」は大学病院10施設以上を含む全国130病院に導入され、退院サマリーや看護記録の作成時間短縮、DPCコーディング支援による年間数千万円規模の収益改善など、病院経営に直結する成果を創出している。製薬企業向け事業では、グローバルメガファーマの9割と取引実績を有する。累計資金調達額は180億円を超え、Google、セブン-イレブン・ジャパン、日本郵政キャピタル、NTTドコモ等から出資を受けている。2022年には米国法人を設立し、Mayo Clinicと医療の「デジタル・フロントドア」再構築に向けた共同開発を開始するなど、グローバル展開も推進中である。さらに、日本デジタルヘルス・アライアンス(JaDHA)においてはリーダー企業としてヘルスケア領域の生成AI活用ガイドラインの策定を牽引するなど、業界全体のルール作りにも貢献している。同ガイドラインは総務省・経済産業省策定の「AI事業者ガイドライン」に先進事例として掲載された。
また、業界活動として2023年より日本医療ベンチャー協会(JMVA)理事を務めている。
主な受賞歴として、第3回日本サービス大賞「厚生労働大臣賞」および「審査員特別賞」、Google Play ベスト オブ 2023「優れたAI部門」大賞、生成AI大賞2024「特別賞」「優秀賞」、総務省「情報アクセシビリティ好事例2023」選出などがある。
「生成AIは病院経営における単なる業務効率化ツールではなく、経営戦略そのものである」という信念のもと、医療現場の業務負荷軽減と収益改善の両立を通じて、持続可能な医療提供体制の構築に取り組んでいる。