JDDW 2021 KOBEJDDW 2021 KOBE

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このたび伝統ある日本肝臓学会において第25回大会会長を拝命いたしました、兵庫医科大学の飯島尋子でございます。女性の会長としましては、第20回西部会会長 関西医科大学 鮫島美子先生、第41回東部会会長 東京女子医大 橋本悦子先生についで3人目となります。大変光栄に存じますとともに責任の重さに身の引き締まる思いでございます。まずはこのような機会を与えて下さいました関係各位の先生方に心から感謝申し上げます。

さて今回のテーマは、「明日の肝臓学へ  ~クロスボーダーの挑戦~」とさせて頂きました。私が肝臓学を志した1980年台前半は、肝癌の早期発見が難しい時代でした。また、C型肝炎ウイルスも発見されておらず非A非B肝癌と呼ばれていました。ラジオ波も術中超音波も無い時代でしたが、それからわずか40年ぐらいで、成因の解明や診断法、治療法全てにおいてめざましい進歩を遂げてきたことに、あらためて思いを巡らせております。

日本肝臓学会は、様々な領域の専門家が肝臓学の旗の下に集うという多様性が特色の学会です。将来を見据える中で、肝疾患の基礎・臨床に関する多くの重要課題を克服するためには、性別、専門領域、そして国境を越えたチャレンジが不可欠であるという私の思いを、テーマに込めております。

JDDWの中での肝臓学会が主導する主題は11題です。肝疾患の進展や肝発癌における、肝線維化、生活習慣、さらには腸内細菌の関与、肝癌・肝硬変の予後改善を目指した新たな治療戦略など、肝疾患の臨床と研究の発展につながる、先見性に富んだ内容を企画しております。本学術集会によって若手医師・研究者のモチベーションが喚起され、肝臓学の進歩と学会の発展の端緒となれば望外の喜びでございます。

2021年秋までにはCOVID-19感染症が落ち着き、山茶花が花開く街、神戸で皆様をお迎えできることを心より願っております。

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