JDDW 2019に参加する第61回日本消化器病学会大会の会長を拝命いたしました兵庫医科大学の三輪洋人です。この伝統ある学会の会長を務めさせていただくことは大きな名誉であり、教室員一同この学会を実りあるものにすべく誠心誠意、準備に努めて参る所存です。第61回日本消化器病学会大会は日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会、日本消化器外科学会、日本消化器がん検診学会と合同でJDDW 2019として2019年11月21日～23日に神戸の国際会議場、ポートピアホテルを中心とした会場で開催されます。神戸はわれわれの地元でもあり、例年以上に盛り上がる学会にできればと考えています。

近年、世の中は急速に変化しています。社会、経済、産業、文化やスポーツ、世の中のありとあらゆるものが変化しつつあります。医学や医療も例外ではありません。IT化の波は容赦なく医療界にも訪れ、また医療安全への意識が高まり、臨床研究のあり方も変わりつつあります。また疾患の理解や治療でいくつものパラダイムシフトが起こり、一方では生活様式の欧米化は我が国の消化器領域の疾患構造自体を変化させています。このように医学と医療をめぐる環境は我々が感じるよりも急速に変化し、この動きは加速しています。私はJDDW 2019に参加される会員の皆さんにはこの変化を是非体感していただきたいと思っています。

消化器病学会は会員数33,000人余を有する大きな学会ですが、本学会の会員はさまざまなバックグラウンドを持つ人達によって構成されています。これがこの学会の特色でありまた強みでもあります。そして本学会では皆さんが、消化器における医学と医療の変化の流れを感じていただけるよう、消化管、肝、胆膵の分野を超えた多くの主題を用意させていただきました。JDDWの統合プログラムとしてAI、再生医療、食などを取り上げ、また消化器病の主題としてバイオマーカー、化学療法の進歩、腸内細菌、高齢者消化器病などを取り上げています。また、国際化も意識して世界をリードする多くの先生方による講演を用意しました。

是非とも多くの会員にご出席いただき、演題発表や討論を通じて本学会およびJDDW 2019を盛り上げていただくと同時に、これからの消化器病診療に思いを馳せていただきたいと望んでおります。是非とも宜しくお願いいたします。