会長挨拶

第42回日本消化吸収学会総会
杉本 元信 東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科
会長:杉本元信

このたび2011年10月に福岡で開催されますJDDW2011において、第42回日本消化吸収学会総会の会長を拝命し、大変光栄に存じております。責務の重さに身の引き締まる思いですが、荒川泰行理事長のご指導のもと、会員の皆様のご支援・ご協力をいただきながら、より実りある学会となるように誠心誠意務めて参る所存でございます。

本学会は小規模ながら、42年の歴史を重ねており、JDDWに全面参加後も個性的なテーマを提供し、着実にその成果をあげてきました。形態学を中心に発展した消化器病学ですが、近年、機能的胃腸症や過敏性腸症候群、胃食道逆流症など、機能性疾患への関心が高まっております。まさに消化管運動と消化吸収は機能性疾患の病態の二本柱といえます。また、消化吸収には消化管だけでなく、肝胆膵が大きく関与することは言うまでもありません。悪性疾患の治療も進歩し、担癌患者の寿命も大きく延びてきた昨今、QOL向上のためにも栄養状態、消化吸収の改善が求められております。しかしながら、食生活や運動療法に対する取り組みが進歩する一方、生活習慣病に関しては、漫然と安静を強いられ、必要以上に日常生活を制限された結果生じた疾患も少なくありません。

発生学的には、原腸から他の臓器は分化しており、消化器疾患は多くの臓器に影響を及ぼしていることは周知の通りです。今日、基幹病院の内科は臓器別に縦割り分化が進んできましたが、総合診療科の私が主催させていただく本学会では、臓器横断的な主題を意識しました。プログラム委員の先生方のご支援をいただき、主題として「消化器疾患における安静時エネルギー代謝測定の意義と有用性」、「肝・胆道疾患と脂質代謝を見直す−消化吸収異常の関与とその治療」、「過敏性腸症候群−消化吸収機能の側面から」を企画しました。さらに、「消化器疾患における栄養マネージメント」、「消化器疾患におけるprobiotics・機能性食品の有用性」を消化器病学会と共催させていただくことになりました。

消化吸収を考える有意義な2日間になるように、他学会参加の先生方にも関心を持っていただけるような会場の雰囲気を作っていけるように、精一杯努力する所存でございます。会員の皆様におかれましては、ぜひふるってご参加いただきますようにお願い申しあげます。

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