会長挨拶
第84回日本消化器内視鏡学会総会 高橋 信一 杏林大・3内科 |
このたびは、伝統ある日本消化器内視鏡学会第84回学術集会を担当させて頂くこととなり、大変光栄に存じ上げるとともに大きな責任を感じております。会員の皆様にとって意義ある総会にすべく知恵を絞っておりますが、今後とも絶大なるご指導をよろしくお願い申し上げます。
総会はJDDW2012の6構成学会の一つとして、2012年10月10日(水)より13日(土)までの4日間、神戸市にて開催されます。JDDWの神戸市開催は久しぶりですが、新しく神戸国際展示場3号館がポスター会場として加わり、また13の口演会場が有機的に配置され、参加登録の工夫など、毎年増加する参加者に充分な対応が計画され、従来とは少し違った雰囲気を感じとられることでしょう。さらに今回は、JDDW20周年という記念すべき年でもあり、多くの記念行事が予定されております。
上西紀夫理事長ならびにプログラム委員の先生がたのご指導により、興味深いプログラムが確定いたしました。特にJDDWの特徴を生かし、普段はなかなか一緒にディスカッションできない他分野の学会との合同セッションに力を入れました。同じ問題点に対する違った視点からのディスカッションを通じて、皆様が何かしら新しいアイデアを持って帰っていただければ幸いです。
学会のテーマのひとつは、「患者にやさしい内視鏡」です。消化器内視鏡に携わる者は、須らく高い技術と深い知識が必要条件ですが、充分ではありません。被験者に対する深い愛情が必要です。内視鏡医の心構えに関する主題、「患者にやさしい内視鏡の工夫」を3題と「高齢者に対するPEGの適応と安全性について」を企画しました。また、学会は大病院の医師だけのものではありません。普段はなかなかカンファランスに参加できない一般医や若手医師に対し、各消化器疾患の治療方針決定までの模擬カンファランスを3題企画しました。臨場感あふれるカンファランスとなる事と期待しております。
今、世界に冠たる日本の内視鏡学ですが、その進歩を留めることはできません。海外の研究者は、すぐに追いついてきます。Image-Enhanced EndoscopyやESD、ダブルバルーン内視鏡など日本のお家芸の現状と問題点を整理し、将来につなげるような主題も数多く用意いたしました。どうか積極的に討論にご参加ください。
さらに海外からDr. Chao、Dr. Kobayashi、Dr. Caveを招聘し、海外の内視鏡事情について講演して頂きます。また、学会3日目午前中には特別講演を田尻久雄教授、北野正剛教授、工藤進英教授に続けてお願いしております。1会場で3件のレクチャーを拝聴できる贅沢な企画です。
このように多くの方々のご指導により興味深いプログラムとなりました。10月の神戸でお会いしましょう。