倫理指針

JDDWでは、平成27年4月1日施行の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」(文部科学省、厚生労働省)に基づいた運営を行うために、JDDW 2017より、JDDW関連5学会統一の倫理指針を実施いたします。

演題応募時には、下記の手順にて手続きをお願いいたします。

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2.JDDW 演題登録時 Medical ethics 申請

演題応募の際には、倫理審査が必要な発表かどうかの申告をしていただきます。下記の申請画面から該当する項目をひとつ選び、申請の上、ご応募いただきますようお願いいたします。

なお、応募時に分かる用フローチャートも用意いたしましたので、チャートに沿って、ご自身の発表がどのような審査を必要とするか、確認をお願いいたします。詳細は「3.JDDW 発表における倫理指針(カテゴリー分類)」の「フローチャート」をご参照ください。

JDDW 演題登録時 Medical ethics 申請(2017年)

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3.JDDW 発表における倫理指針(カテゴリー分類)

演題応募時には下記のフローチャートに沿って、ご自身の発表がどのような審査を必要とするか、確認の上、手続きをお願いいたします。

カテゴリー分類臨床倫理から見た研究の種類と必要な手続きにつきましても合わせてご確認ください。

フローチャート

フローチャート

カテゴリー分類

カテゴリー分類

臨床倫理から見た研究の種類と必要な手続き

臨床倫理から見た研究の種類と必要な手続き

A. 症例報告など倫理審査が不要な研究
9例以下の症例報告
既に連結不可能匿名化されたデータのみを利用した研究
論文や公開されているデータベース,ガイドラインのみを用いた研究
培養細胞のみを用いた研究
法令に基づく研究など
B. 観察研究
B1. 後ろ向き観察研究,人体から採取された試料を用いない前向き観察研究
B2. 人体から採取された試料を用いる前向き観察研究
C. 侵襲を伴う研究,介入研究,ヒトゲノム・遺伝子研究
侵襲を伴う研究や介入研究もしくは子孫に受け継がれるヒト生殖細胞系列の遺伝子変異または多型性に関する研究
但し,介入研究は公開データベースへの登録が必要.
D. ヒト ES 細胞やiPS 細胞,組織幹細胞を利用した臨床研究.ヒトの遺伝子治療に関する研究
厚生労働大臣の許可を要する
臨床倫理審査
倫理審査委員会や施設内審査委員会 (IRB),あるいはそれに準じた諮問委員会に基づく施設長の許可
観察研究の場合には各諮問委員会の迅速審査に基づく施設長の許可
オプトアウト
当該研究について情報を研究対象者等に直接通知するか,または当該施設の掲示板やホームページ上で公開し,研究対象者等が研究への参加を拒否する機会を保障すること.
同時に拒否の意思表示を受け付ける窓口(連絡先)を明示する必要がある.
包括同意
人体由来の試料取得時に,当該研究における利用が明示されていない別の研究についての同意が与えられていること.
診療の一環としての試料採取時に,具体的な研究内容を明示せずに将来の研究について同意が与えられていること.

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4.よくあるご質問(Q&A)

Q 1
オプトアウトとはどんなものを指しますか?
A 1
当該研究について情報を研究対象者等に直接通知するか,または当該施設の掲示板やホームページ上で公開し,研究対象者等が研究への参加を拒否する機会を保証するものを指します.同時に拒否の意思表示を受け付ける窓口(連絡先)を明示する必要があります.
Q 2
オプトアウトの開示はいつまで行う必要性がありますか?
A 2
研究開始前に開示し,拒否の機会を保障する必要があります.研究を終了するか,もしくは発表終了時までご提示いただく必要があります.
Q 3
当院には倫理審査会がありません.学会発表はできませんか?
A 3
臨床研究の倫理審査を行う倫理審査委員会やそれに準じた諮問委員会を常設していない施設からの研究発表については,2017年は以下の如く移行措置を設けました.
施設内に倫理審査制度をもたない施設からの観察研究においては,演題登録時には施設長の許可を得てオプトアウトを実施してください.できるだけ発表までに,関連の大学病院等の倫理審査制度を利用して倫理審査を受けるようにしてください.但し,2018年以降のJDDW関連学会での移行措置は無くなりますので注意してください.介入研究について発表される場合は,必ず関連の大学病院等の倫理審査制度を利用して倫理審査を受けてから発表してください.但し,多施設共同研究の場合は,所属する施設の施設長の許可があれば,代表施設の倫理審査委員会での一括審査が可能な場合もあります.その場合は,所属施設での個別審査は必ずしも必要ありません.
Q 4
包括同意とはどんな同意を指しますか?
A 4
診療情報や診療の一環として採取された検体(試料)や情報を,将来にわたって様々な研究に利用させていただくことを書面で同意いただくものを指します.ただし,研究を行うに際して,あらためて倫理審査に基づく施設長の許可と研究対象者へのオプトアウトが必要です.
Q 5
JDDWでは臨床研究の倫理審査は行ってもらえるのでしょうか?
A 5
JDDWでは,臨床研究の倫理審査は行っておりません.
Q 6
各施設の指針とJDDWの指針が同一でない場合,どちらの内容を優先したらよいでしょうか?
A 6
JDDWにおける発表に際しては,JDDWの共通指針を優先してください.ただし,最終的な発表内容に関しては,発表者個人とその施設の長が負うものとなります.
Q 7
所属施設長とは部長の認可でよいですか?
A 7
大学病院などであれば学長もしくは規定により権限を委任された,病院長,センター長,学科長,学類長などであり,その他の医療施設であれば所属する法人の長であるセンター長,施設長,組合長,病院長などに該当するため,規定により権限を委任されていない所属部署の部長の認可では無効となります.
Q 8
8例以下をまとめた介入を伴わない症例報告は倫理委員会審査が必要ですか?
A 8
10例以上をまとめた介入を伴わない症例報告から倫理委員会審査が必要です.但し,次のような場合は10例未満でも観察研究となるので,倫理委員会審査が必要となります.
例) 「8症例に対して新しい穿刺針を用いて肝細胞癌に対する RFA 治療を実施した.この8例とそれ以前の旧タイプの穿刺針を用いた RFA 治療例とを後ろ向きに比較解析する」.これは,観察研究に該当する.
Q 9
自施設のC型慢性肝炎に対する以前のインターフェロン併用抗ウイルス療法施行例と新たな非併用の直接作用型抗ウイルス剤(DAA)施行例で,ウイルス学的著効達成(SVR)率や肝癌発生率など,短期および長期成績を学会発表したい場合には倫理審査会は必要ですか?
A 9
研究対象者の予後を含んだ各種臨床データを利用した研究は,各施設の倫理審査委員会あるいはそれに準じた諮問委員会での審査と,それに基づく施設長の許可を得るとともに,研究対象者あるいはその代諾者の同意(インフォームド・コンセント:IC) を得る必要があります.但し,過去の症例にさかのぼってあらためてICを得ることが実質的に不可能な場合は,オプトアウトを利用し,研究への参加が拒否できる機会を保障することでICに変えることが可能です.
Q 10
関連施設10病院の初発肝細胞癌に対するラジオ波焼灼療法(RFA),肝動脈化学塞栓術(TACE),肝切除それぞれの短期および長期治療成績を集積して学会発表をしたい場合には倫理審査会は必要ですか?
A 10
研究に参加する全ての施設において倫理審査委員会あるいはそれに準じた諮問委員会での審査と,それに基づく施設長の許可が必要です.さらに研究対象者あるいはその代諾者の同意(インフォームド・コンセント:IC) を得る必要があります.但し,過去の症例にさかのぼってあらためてICを得ることが実質的に不可能な場合は,オプトアウトを利用し,研究への参加が拒否できる機会の保障をすることでICに変えることが可能です.なお,施設長の許可があれば代表施設の倫理審査委員会での一括審査が可能な場合もあります.一方,既存の匿名化データを提供するのみで,研究に関与しない場合は必ずしも倫理審査委員会の審査を受ける必要はなく,既存試料・情報を提供することについて施設の長の許可を受けることで問題ありません.
Q 11
採血は侵襲に当たりますか?
A 11
診療で採血した検体の余剰分を用いる場合は,「侵襲なし」としてよい.
診療として行う採血の際に,研究目的で上乗せして採血量を増やす場合や,研究目的のみで採血をする場合であっても,一般健康診断で行われる程度の採血であれば,「軽微な侵襲」と判断してよい.
ただし,前者の場合であって,明らかに研究対象者の身体に影響があると考えられる採血量の増加を伴うものや,後者の場合であって,一般健康診断で行われる採血量を超えるものに関しては,「侵襲あり」と判断される.
Q 12
大腸癌再発症例における現在未承認薬の抗 PDL-1(programmed cell death ligand-1)抗体薬を使用した症例をまとめて報告したいのですが倫理審査会の承認は必要ですか?
A 12
薬剤の適応外使用や未承認薬を使用する場合には以下の1)~3)のすべてが必要です.
1) 倫理審査委員会あるいはそれに準じた諮問委員会の審査に基づく施設長の許可.
2) 患者もしくは代諾者の同意.
3) 介入研究であれば公開データベースへの登録.
Q 13
胃癌手術におけるロボット手術の短期および長期成績をまとめて報告したいのですが,倫理委員審査会の審査と承諾は必要ですか?
A 13
保険収載されていない先端医療の場合には以下の1)~3)のすべてが必要です.
1) 倫理審査委員会あるいはそれに準じた諮問委員会の審査に基づく施設長の許可.
2) 患者もしくは代諾者の同意.
3) 介入研究であれば公開データベースへの登録.
Q 14
内視鏡の治療手技に関するビデオの発表をしたいのですが,同意は必要ですか?
A 14
個人を特定しないものであれば,包括同意を得たもので代用できます.包括同意とは診療情報や診療の一環として採取された検体(試料)や情報を,将来にわたって様々な研究に利用させていただくことを書面で予め同意いただくものを指します.
Q 15
患者の試写体(顔写真)などを発表で使用したいのですが,事後で同意を得る必要がありますか?
A 15
症例報告を含む医学論文及び学会や研究会での発表における患者プライバシー保護に関する指針(https://www.jssoc.or.jp/other/info/privacy.html)を遵守し,プライバシー保護に配慮して患者が特定されないように留意する必要がありますが,倫理審査委員会やそれに準じた諮問委員会での審査や施設長の許可,患者(研究対象者)やその代諾者の同意は必ずしも必要ではありません.個人が特定化される可能性のある場合は,発表に関する同意を患者自身(または遺族か代理人,小児では保護者)から得るか,倫理委員会の承認を得てください.

※現在,個人情報保護法の改定に伴い,個人情報の取扱に関する見直しが厚労省で実施されています.見直しに伴い,今後本事項に関して変更になる可能性があります.

Q 16
続報のような発表に関しては,再度倫理審査を受ける必要性がありますか?
A 16
研究計画書に記載された内容の範囲であれば再審査の必要はありません.
Q 17
患者の癌組織を利用して,新たに発見された癌関連遺伝子群の発現を検証した発表を行いたいのですが,倫理委員会審査は必要ですか?
A 17
倫理審査委員会あるいはそれに準じた諮問委員会の迅速審査に基づく施設長の許可が必要です.また同意取得(インフォームド・コンセント:IC)またはオプトアウトも必要です.
Q 18
公開されているデータベース,ガイドラインなどをまとめた研究発表,あるいは法令に基づく研究発表は倫理審査を受ける必要がありますか?
A 18
倫理審査委員会の審査および承諾は不要です.しかし引用したデータベースおよびガイドラインなどを必ず明記してください.
Q 19
ヒトの検体を使用した後ろ向きの研究発表に関しては,同意書はすべての患者に必要ですか?
A 19
検体が既に連結不可能匿名化されていない限り,倫理審査と患者の同意(インフォームド・コンセント:IC)またはオプトアウトが必要です.連結不可能匿名化とは,あらゆる手段を用いても,個人を特定できないことを意味します.カルテ情報と照らし合わせて患者を特定できる場合には連結可能となります.
Q 20
培養細胞を用いた基礎的研究は倫理審査が必要ですか?
A 20
倫理審査委員会の審査および承諾は不要です.
Q 21
ヒト ES 細胞,ヒト iPS 細胞,ヒト組織幹細胞を利用した臨床研究は倫理審査以外に何が必要ですか?
A 21
「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)」を遵守する必要があります.
Q 22
「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の対象となる研究とはどのようなものを指しますか?
A 22
ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針の対象は,提供者の白血球等の組織から抽出したゲノム DNA やmRNAから作成した相補DNAを用いて,子孫に受け継がれる遺伝子変異や多型性を調べる研究です.即ち,生殖細胞系列の変異又やその多型性 (germline mutation or polymorphism) を解析する研究を指します.
Q 23
倫理委員会を通さず発表した場合には,どんなペナルティが科せられますか?
A 23
学会員が常に倫理指針に則って真摯に行動することを願っておリますが,現時点では,学会としてペナルティを科すことは考えておりませんし,施設訪問などで過去に遡って審査することも致しません.ただし,指針に反して研究した場合の責任は,研究者本人及び施設の長にあります.
Q 24
発表する際に,自分の研究が倫理指針上どのカテゴリーの研究に属するか,あるいは倫理審査を受けたかどうかを提示する必要はありますか? 利益相反(COI)のようなスライドを作成して提示する必要はありますか?
A 24
現時点では,Medical ethics をご提示いただく予定はありません.但し,自身の発表が倫理指針のどのカテゴリーに属する研究であるのかを,常に判断していただくことを期待しております.

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