この度、平成29年(2017年)10月12日(木)~15日(日) の4日間、福岡で開催されるJDDW 2017にて第15回日本消化器外科学会大会会長を仰せつかりました、岐阜大学大学院腫瘍外科学、吉田和弘と申します。このような大役を拝命し、大変光栄に存じますと同時に会員の先生方には心から感謝申し上げます。
JDDWでは、消化器外科のみならず関連学会と同時開催で、消化器疾患を外科・内科の立場を超えて横断的観点から最高の治療を目指し、議論できるという特色を有した学会であります。また、本年度から、消化器外科学会ではシンポジウムはすべて英語での発表となり、さらなる国際化に向けた発展を目指します。
その上で本大会のテーマを「先知先哲に学ぶ技術の継承と発展」といたしました。我が国の消化器外科手術の技術は世界一です。その最高峰を極めるためにこれまで多くの諸先輩、先達の努力があってこその現在であります。そこに至るまでには多くの仮説、議論、検証があり、試行錯誤の連続であったはずです。物事を成し遂げる上での、目に見えない多くの積み重ねこそが重要で、下準備があってこそ真の成功につながると思われます。これが次の世代への発展の糸口につながると思われます。超一流の仕事を遂行するには「段取り8割、仕事が2割」と言っても過言ではありません。
これからの癌医療の基盤となるであろうprecision medicine へ向けて、招待講演とシンポジウムでは「ゲノム医療と消化器癌」について議論いただきます。内科領域との統合セッションとして、「腹腔鏡内視鏡合同手術」「内視鏡治療後の追加手術の妥当性」などの展望について、肝胆膵領域では、「IPNMの諸問題」や、「非B非C肝癌の実態と対策」「肝移植における抗ウイルス療法の諸問題」、炎症性腸疾患については、「内科と外科のトータルマネージメント」をテーマといたしました。
消化器外科としては、シンポジウムに「Robotic surgery vs Laparoscopic surgery for GI cancer in future」「食道胃接合部癌への治療戦略」「胃癌切除後の再建」「進行下部直腸癌に対する側方郭清」「ISRの治療成績」などを取り上げました。パネルディスカッションとしては「Borderline resectable膵癌治療」「閉塞性大腸癌に対する治療戦略」「食道癌サルベージ手術」「StageIV胃癌への新たな治療戦略」をテーマに、最新の治療について議論いただく予定です。
JDDW、秋の博多で有意義な学会となりますよう努力する所存でございます。多くの会員の皆様方のご参加をいただけますよう宜しくお願い申し上げます。
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